プロバンスのラベンダーはひとつじゃない

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こんばんは。KUMAKOです。

「フランスのラベンダー」と聞くと、多くの方は、プロバンスの丘に広がる紫のじゅうたんを思い浮かべるのではないでしょうか。澄んだ青空の下、風に揺れるラベンダー畑は、それだけで心を癒してくれる光景です。

けれど、同じプロバンスでも、咲いているラベンダーは一種類ではありません。実は、標高や環境によって、香りも姿もまったく違う表情を見せてくれるのです。

標高の低い地域でよく育つのは、ラバンディン。真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交配種で、とても丈夫で収油率も高いため、広大な畑に多く栽培されています。花穂はすらっと長く、風に揺れる姿も力強い。その香りはシャープで少しカンファーっぽさを含み、爽快感があります。石けんやポプリ、掃除用のスプレーなど、日常の暮らしの中で活かされることが多い香りです。

一方、標高800〜1,200m以上の高地に行くと、**真正ラベンダー(高地ラベンダー)**が育っています。小さな花がぎゅっと集まり、ふんわりと丸みを帯びた花穂。見た目からしてやさしい雰囲気で、香りも繊細で柔らかく、ほんのり甘さを感じます。収油率は低いけれど、その分香りは澄んでいて奥深く、心を落ち着け、深い呼吸を促してくれます。まさにリラックスの香りとして長く愛されてきた理由が、そこにあります。

同じプロバンスの地で育ったラベンダーでも、低地と高地ではこれほど違う個性を見せてくれる。自然の恵みそのものが香りとなり、瓶に詰め込まれているのだと思うと、本当に不思議で愛おしく感じます。

今日のあなたに寄り添うとしたら、どちらのラベンダーでしょうか?
シャープで爽やかなラバンディン、
それとも、やさしく穏やかな真正ラベンダー…。

香りを選ぶことは、今の自分自身を映す小さな鏡のようなものなのかもしれません。

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